わたしたちの理念

「事物とのあいだとは、相互に一つのものからもう一つのものに及ぶ位置決定できる関係を指すのではなく、一つともう一つとを両方ともまきんでいく垂直的方向、横断的運動を指すのだ。始めも終わりもなく、両岸を侵食し、真ん中で速度を増す流れなのだ。」-ジル・ドゥルーズ,フェリックス・ガタリ『千のプラトー』

メディア、媒介するもの

近代紙の発生は「模倣」から始まった。情報のないところに、あるところから媒介し、報じる。全世界各国の主要紙に「情報源」を提供するロイター、AFP、AP通信などはその提供元として成立し、また20世紀の新聞社たちもその一部を各通信社からの情報に拠った。

近代新聞の祖と言われる官版バタビヤ新聞(当時のジャカルタで取り扱ったオランダ新聞の翻訳版)

近代新聞の祖と言われる官版バタビヤ新聞(当時のジャカルタで取り扱ったオランダ新聞の翻訳版)

同じくバタビヤ新聞の時同じくして生まれた居留地貿易のための相場情報を主としたジャパンヘラルド

同じくバタビヤ新聞の時同じくして生まれた居留地貿易のための相場情報を主としたジャパンヘラルド

やがて100年前訪れた、新聞乱立の時代

通信社からの情報では地域のできごと、事件は網羅できない。また、人の数だけある「文化」「スポーツ」「芸能」「スキャンダル」はまた、"人の数だけ"書き手と配信元を自然と求め、約100年前の20世紀前半、新聞社は乱立状態となり、センセーショナルなスキャンダルや事件だけを報じるゴシップ新聞、安易な他社の追随で成立した小新聞社はやがて、淘汰されていった。

自然発生的に19世紀後半には外国紙を模倣した新聞が多数生まれ、そのうち一握りが現代も主要紙として存続している。

自然発生的に19世紀後半には外国紙を模倣した新聞が多数生まれ、そのうち一握りが現代も主要紙として存続している。

自然と発生した"国策通信社"は新聞紙上の熟成から自然と要求された

東京、大阪など都市圏を中心に拡大を続ける全国紙、朝日、毎日、読売新聞に続き、西日本、京都、河北など地方紙は地域性と独自性を強化していくことで、地域の読者の信託に応えてきた。

近代日本が世界へ、正しく情報を発信していく理念の下、各紙・メディアの悲願として同盟通信社(共同通信・時事通信の前身)が生まれた。

近世〜戦前日本の一定の区切りとして、同盟通信が生まれた。戦前の報道には評価と、悲劇を増長した負の側面もあり、我々メディア人は同じ過ちを繰り返してはならない。

近世〜戦前日本の一定の区切りとして、同盟通信が生まれた。戦前の報道には評価と、悲劇を増長した負の側面もあり、我々メディア人は同じ過ちを繰り返してはならない。

なぜ無数の"できごと"の中で"それ"だけがニュースになったのか?

毎日世界で10万人以上の人たちが日々、死んでいく。毎日世界で20万人以上のこどもたちが、生まれていく。

世界で70億人の人が日々、それぞれのドラマを生きている。なぜそんな無数のたいせつな"できごと"が全てニュースにならずに、一握りの"それ"だけがニュースになるのか。

私たちはそんなニュースの"恣意性"、"なぜ"の向こう側に、世界の風向きを見ていかなくてはいけない。かつてその"恣意性"によって、いや、今現在もその"恣意性"によって、多くの世界の市民たちが飢え、苦しみ、憎み合い、殺しあったように。

ニュースは真実を伝えるか?

巨大通信社・メディアは日々、大局を見た世界的な視点でのニュースを報じる。その重要性を評価しながら、わたしたちが目で見て、手触りをもって触れることができない現場のできごと、目の前で起こるドラマを報じる無数の地域紙、様々な視点の業界紙、専門紙。

そして今、21世紀の情報・通信技術の飛躍的な発展により、20世紀の新聞やメディアだけでは決して報じきれなかった、身近な些細なできごと、様々な趣向を深堀した個人メディアが多数生まれた。

日本近代新聞学の父であり比較新聞学の祖小山栄三(1899-1983)博士『比較新聞学(昭和26年刊)』全世界の新聞発刊の数は世紀を追うごとに益々増えていく。

日本近代新聞学の父であり比較新聞学の祖小山栄三(1899-1983)博士『比較新聞学(昭和26年刊)』全世界の新聞発刊の数は世紀を追うごとに益々増えていく。

 

それぞれが真実を伝えているとも言える。また他方、それぞれ"だけ"では真実を伝え切れない、ということも事実だ。

特定の国家イデオロギー、地域・コミュニティ論理だけでは時に偏向してしまう、"できごと"の切り捨てられる側面。

私たち政治プレス新聞社は全国1800余りの市町村・地方自治体の政治・選挙報道を中心に、世界の時事、経済、社会、文化の流れを独自取材と、最前線の現場で汗を流す通信社、地方紙、個人メディアのニュースを比較することにより、さらに"できごと"の本質を見極め、ひとつの"できごと"をあらゆる地域、主義主張、立脚点から比較し報じる「比較新聞」の手法を用い、広く読者にひとつの「新しい見方」を提案していくことを報道指針・理念としています。

 

政治プレス新聞社2015年8月吉日
社主 高橋洋人

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公開日:
最終更新日:2016/06/23