宮城|「政治と若者の距離感をどうにかする」対談・漆田 義孝さん(NPO法人メディアージ 代表)

      2016/07/08

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宮城|「政治と若者の距離感をどうにかする」対談・漆田 義孝さん(NPO法人メディアージ 代表)

NPO法人メディアージ 代表・漆田 義孝さん

来月7月に投開票を迎える参議院議員選挙。18歳選挙権もこの参院選を皮切りにスタートとなり、若い世代の政治参加に日本中から注目が集まっています。

しかしながら、現状の若い世代の投票率は年々減少の一途をたどっています。平成26年12月の衆院選の投票率は32.58%と、5年前の平成21年の49.45%から約18%減少しています。(年代別投票率の推移 | 公益財団法人 明るい選挙推進協会 より)

一方、東日本大震災を経験した東北地方では、テレビやラジオなど、既存のメディアに頼らない情報発信のあり方が模索され、まちづくりに反映しようとする試みがなされてきました。

その中で、中心的な役割を担ってきたのがNPO法人メディアージです。

「政治と若者の距離感をどうにかする」映像で仙台・東北の被災地の情報を発信するNPO法人メディアージ 代表の漆田 義孝さんにお話を伺いました。

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東北の復興・魅力を発信。メディアージの取り組みとは?

政治プレス編集部(以下、編集部):今回、「若者と政治の間の距離を縮める」を目的でのイベントの開催になります。漆田さんはこれまで近い取り組みはされたことはありますか?

漆田 義孝さん(以下、漆田):メディアージは、東日本大震災をきっかけに、映像で仙台・東北の被災地の情報を発信するという活動から生まれました。その後、復興というテーマだけでは東北への関心が高まらないと考え、さらに広く東北や社会のことを扱うという方針に転換します。

その中で、2012年12月の衆院選から、政治について語り合う映像番組の配信を始めました。最初は「政治の話って、友達としにくい、しちゃいけない雰囲気があるよね。だから、まずは私たちがカメラの前で話しあおう」と考え、大学生なども巻き込みながら、政治について話す場、聴く機会をつくってきました。

また、いわゆるネット選挙解禁を受け、「私たちに何ができるだろう」と考えた時に、2013年の参院選の候補者の演説の取材や、翌年の衆院選では候補者へのインタビューを行ったりしました。2015年には、さらに関心の薄い市議会・県議会の候補者と、大学生たちを対談させる動画もつくりました。

メディアージとしては、これまでも映像番組をつくると同時に、参加者一人ひとりが気づきを得られる「場」をつくってきたつもりではあったのですが、今回のように、完全にイベントがメインの企画は初めてかも知れません。

原点は、異なる意見を持つ人同士の「共感」だった。

編集部:ありがとうございます。今回、情報発信から、さらに一歩踏み込んでリアルな場づくりに取り組もうと考えられたきっかけなどございましたら、教えていただけますか。

漆田:もともと、映像番組を作っていた時も、番組に参加して議論した人たち同士の方が、視聴者より絶対にいい気づきを得られたんですよ。

例えば、某左派系の党員の方が、集団的自衛権がテーマの番組に出演して、「これまで、集団的自衛権に賛成の人は戦争をしたがっているんじゃないかと思っていたけど、お互い方法や見えていることが違うだけで、平和への思いは同じなんだと感じました」と仰ったんですね。これはすごい気づきだなと思って。

去年の番組でも、大学生の参加者は今までどんな仕事をしているかもわからないし興味もなかった(笑)市議会や県議会の役割について、理解を深めることができたとみんな喜んでいました。なので単純に映像にこだわらず、場をつくろうと。カメラがない方がぶっちゃけ話ができるかもしれませんし。

編集部:左派系党員の方のご感想は本当に驚きですね。学生の皆さんにとっても、普段わからない市議・県議の皆さんの仕事に親しめる。参加者の中でとても濃いコミュニケーションが実現しているような気がしますが、何か気を配っている点はありますか?

漆田:私は「中立」は存在しないと思っています。バランス感覚はあると思うのですが。なので必ず1つのテーマで異なる意見を持つ人が参加してくれるようにはしたいなと思っています。そのおかげですかね。

市議・県議の話については、今回もゲストでお呼びした(自民党・)村上議員をはじめ、皆さんすごく話上手でよい場になりました。(民進党の)林さんも、過去に番組に出演いただき、若者向けのフランクな話し方ができる方だなという意味で、個人的には信頼しています。

若者と政治の距離感。「若者が悪い」がますます政治との距離を遠くする。

編集部:確かに、これまでの活動で挙げていただいた集団的自衛権や小さな政府は、かなり人によって意見が分かれるテーマですよね。政治を語れるのももちろんですが、ディベートの場として面白い、という側面があるのかもしれないですね。

漆田:そうですね、相手の意見なんてそう変わらないので、相手の知識、これまでの経験、そして何故そういう考え方を持つに至ったのかを、共有しあえるのが一番だなと思っています。
そもそもそういう経験に至る前に、なかなか政治について話し合う機会とか、政治家の話を聴く機会に参加しようという人は少ないと思います。実際、かなりハードル高いですよね。雰囲気的にも。

18歳選挙が始まるとか、投票率が低いとか、そういうニュースはいくらでも流れてきますが、だからなんだって感じだと思うんですよ。わかってても興味ない。あるいは、選挙にいかない若者が悪い、みたいな風潮になっていて、ムッとしている人もいるんじゃないでしょうか。だから「若者と政治の距離をなんとかする」イベントをやろうと思いました。

編集部:イベントタイトルの「若者 ←この距離感をどうにかする→ 政治」はかなり絶妙に(笑)若者と政治の距離感を表していると思いました。こちらのタイトルは、漆田さんのご考案ですか?

漆田:タイトルは私がいくつか考えた中で、一番変なのを選びました。普通のタイトルにすると、やたら固いんですよね。「政治について考えよう」とか言われても拒否反応が出ると思います。タイトルにはよい反響をいただいたので、都度内容を見直しつつ、ぜひ継続していきたいですね。

「この距離感をどうにかする」ネクストアクションを促す場づくりを。

編集部:ありがとうございます。おそらくイベントとしては今回が初めての試みになると思うのですが、今回のイベントではこんなことを実現していきたい、といったことは何かありますか?

漆田:そうですね、政治家の方をゲストに呼んでいますが、彼らの話を中心にするのではなく、参加者同士のディスカッションで「日々の生活や、世の中の動きで気になっていること」というのを共有しあいたいと思っています。

なぜかというと、実は「じゃあ、次の選挙で候補者の立会演説を聞きに行ってみよう」というネクストアクションを促したいと思っているんです。

私は正直、「投票率向上」に興味がないんです。でも実際、政治家が政治の展望を語ろうと壇上に立った時、目の前に上の世代の方ばかり座ってたら、彼らにとっての『有権者』ってどうしてもそういう人たちになっちゃうと思うんですよね。

だから、立会演説会とか、公開討論会にぜひ若い人たちに行ってもらって、17日のイベントで話したような自身の関心事を、候補者の人が語っているのか、質問したら応えてくれるのか、確かめに行こうよ、というところまで持って行きたいんです。

若者にとっても、政治に近づく大きな一歩だし、政治家にとっても、若者に歩み寄ろうと思える。そういう矢印を描けたら、今回は成功かなと思っています。

編集部:漆田さん、今回はお話しいただき、ありがとうございました。

(話し手=NPO法人メディアージ・漆田 義孝さん、聞き手=政治プレス新聞社)

若者と政治の距離感を縮めるイベント「若者 ←この距離感をどうにかする→ 政治」
日時  2016/6/17(金) 19:00~21:00
場所  リアルカレッジ(仙台市青葉区一番町1丁目2-33 3階 )

お申込み・お問い合わせ先 info@mediage.org
Facebook https://www.facebook.com/events/289204901418561/
参加費 無料

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