【論説】文在寅氏当選―機能的な日韓関係の構築に向けて

   

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文在寅

(出典:문재인Facebook)

韓国の新大統領にムン・ジェイン(文在寅)氏が就任した。筆者には韓国人の友人が多いため、筆者自身も強い関心を持っていたが、今回の選挙はいわば「反朴槿恵」を選ぶ選挙であったと感じられる。

筆者には1人の韓国人の大親友がいる。東京で暮らす彼に生まれ故郷の釜山で挙式を挙げるから来てほしいといわれ、

2015年3月に日本人で唯一招待され参加し、今でも頻繁に上野などで酒を交わす仲だ。

彼には2012年12月、朴槿恵氏と文在寅氏が戦った第18代大統領選挙の投票にも連れて行ってもらったが、彼は当時も文氏に投票していたことから、今回の文氏の大統領就任を強く喜んでいた。

さて、プライベートな話はさておき、新しく就任した文大統領はどのような政権運営をしていくのであろうか。

この記事を書いている現時点では不透明なことも多いが、筆者は以下のように考える。

文在寅氏の北朝鮮政策

まず北朝鮮政策である。文大統領は就任演説の中で、“条件が整えば”平壌に行くとの意思を明らかにした。

候補者演説の時から対北政策では柔軟な姿勢を示していたことから、この意思表明に特に驚きは感じないが、

過去の南北首脳会談(2000年6月、2007年10月)の時と比べそれを取り巻く外交・安全保障上の環境はまるで異なることから、文大統領が言う“条件”の実現は一筋縄ではいかないだろう。

対北政策において、安全保障上の同盟関係にある米国、そして日本や国際社会との協力を打破してまで独自に柔軟な姿勢を臨むことは考えにくい。

その意味において、文大統領は自らがいう“条件”を、昨今トランプ氏が言及した”under the right circumstances”(適切な条件下で)にマッチするように米国と協調することで北朝鮮に対応していくと思われる。

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日韓関係への影響

少女像 慰安婦像

また肝心の対日政策において、文大統領は選挙戦から尉安婦問題をめぐる日韓合意の再交渉を主張していることから、日韓関係の行方が心配されている。

しかし尉安婦問題で安易な妥協は日本にできないかも知れないが、文大統領が実利的立場で臨んでくることは十分に考えられる。

すなわち、今日の日韓は安全保障や経済の側面で多くの利益と価値観を共有していることから、共有できる部分は部分でより一層関係を強化しようとしてくると筆者は考える。

1つの問題が進展しないから全てがだめではなく、そのように機能的に日韓関係を構築していこうと日韓両指導者が強い意志を持つことが、今の日韓関係には最も重要なことである。

今後も日韓は互いへの尊敬と歩み寄りを

隣国の韓国は、今日の日本にとって極めて重要な国家だ。若い世代を中心に日韓の相互交流は非常に深まっている。

相互に尊敬の念と歩み寄るという気持ちを持って交流を深めていくことが、日韓関係のさらなる発展に繋がると筆者は考えている。

筆者も今後の日韓関係の構築において最大限できることをやっていきたい。

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和田 大樹(わだ・だいじゅ)オオコシセキュリティコンサルタンツ シニアアナリスト兼アドバイザー/清和大学講師。国際政治学や安全保障論を専門とし、国際テロ分野においてアカデミアを中心に、シンクタンク、コンサルティング会社など幅広く活躍。2014年5月に主任研究員を務める日本安全保障・危機管理学会から奨励賞を受賞。著書に『テロ・誘拐・脅迫 海外リスクの実態と対策』(2015年7月 同文舘出版)など。

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