【うるま市長選-情勢分析】国・県の「代理戦争」8年ぶりの選挙戦で市民の関心高く

   

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4月16日に告示されたうるま市長選(23日投票)。

無所属新人で、前県議の山内末子氏(59)=社民、共産、社大、自由、民進推薦=と、現職で3期目を目指す島袋俊夫氏(64)=自民、公明推薦=が立候補。

前回市長選は無投票で、8年ぶりの選挙戦となった。

候補者の顔ぶれと情勢を分析した。

 

★うるま市長選挙:23日(日) 投開票速報を随時更新★

【開票速報・結果】うるま市長選挙(市長選) 2017

うるま市とは?

うるま市は、具志川市・石川市・勝連町・与那城町の新設合併により、平成17年4月1日に発足。

人口は約12万2千人で、那覇市より北東へ25km、沖縄本島中部の東海岸に位置する。

戦後沖縄の文教、政治、経済の中心地として発展してきた歴史を持つ。

旧勝連町は平成12年に世界遺産の指定を受けた「勝連城跡」がある。

うるま市にある「勝連城跡」(出典:wikipedia)

うるま市にある「勝連城跡」(出典:wikipedia)

 

うるま市が抱える課題は?

うるま市にある「キャンプ・コートニー」は、駐日米海兵隊の中枢機能を有する。 (出典:http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/1210.html)

うるま市にある「キャンプ・コートニー」は、駐日米海兵隊の中枢機能を有する。
(出典:http://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/1210.html)

 

うるま市は、農業などの第一次産業比率が低い都市型の産業構造を持ち、商業大型店舗の進出が進む一方、既存の小規模零細企業の集客力は落ち込みが目立つ。

また、同市には、キャンプ・コートニーをはじめとする複数の米軍施設・区域のほか、海上自衛隊沖縄基地隊などの自衛隊施設・区域が所在しており、市面積の約7.7%を占める。

これら基地の存在は、同市の都市計画及び振興開発を図るうえで大きな制約となっているほか、基地に起因する事件、事故等に対する不安や恐怖等、地域住民との間に種々の影響を与えている。

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基地反対派の山内氏、「オール沖縄」から幅広い支援を受ける

【山内 末子(やまうち・すえこ)】

2016沖縄県議選 うるま市選挙区 山内スエコ候補

(出典: http://www.pref.okinawa.jp/site/gikai/)

 

旧石川市生まれ、沖縄県立石川高等学校卒。旧石川市議(3期)、うるま市議(4期)、沖縄県議(3期)、市議会では副議長を務めた。元民主党沖縄県連副幹事長。

 

県議を辞職し、今回の市長選に出馬した山内氏。

山内氏は、2016年5月の沖縄県議選でうるま市区選挙区から当選(3期目)したが、選挙前の4月28日、うるま市内で米軍関係者による女性遺体遺棄事件が発生し、「反基地」世論の高まりの中での選挙戦となった。

県議会では、与党会派として翁長県政を支える立場から、辺野古新基地建設反対などを訴えてきた。

今回の市長選では、中学校卒業までの給食費の無料化などをはじめとする子育て支援、正規雇用の拡充や公共事業等の地元企業への分離分割発注などの経済・雇用対策を柱とする「市民ファーストプラン」を掲げる。

 

(総決起大会に駆け付けた翁長知事、山内末子氏のFacebookより)

(総決起大会に駆け付けた翁長知事、山内末子氏のFacebookより)

 

また、翁長雄志知事をはじめとする基地移設反対派の「オール沖縄」、山内氏を推薦する各政党からの支援を受ける。

4月12日、うるま市内で開催された総決起大会には、翁長知事のほか、うるま市選挙区選出の照屋大河県議(社民党県連委員長)、稲嶺進・名護市長、自由党・玉城デニー衆議院議員など、「オール沖縄」の顔ぶれが揃った。

 

(3月3日、山内氏の事務所を訪れた共産党・志位委員長。出典:Twitter)

(3月3日、山内氏の事務所を訪れた共産党・志位委員長。出典:Twitter)

 

3月3日には、沖縄入りしていた共産党・志位和夫委員長が山内氏を激励。

志位氏は、

「『オール沖縄』で力あわせ何としても勝ちたい」と強調。

中略

「来年1月の名護市長選、秋の県知事選、総選挙での『オール沖縄』の勝利の流れをつくる上でも、うるまでの勝利は大きな意味があります。共産党も勝利のために全力で頑張ります」

(3/4 しんぶん赤旗 「山内氏勝利へ力合わせ 沖縄・うるま市長選 志位委員長が激励 来月16日告示」より

と訴えるなど、今後の注目選挙を見据え、党を挙げて山内氏を支援する。

 

(4月12日の総決起大会の様子、山内末子氏のFacebookより)

(4月12日の総決起大会の様子、山内末子氏のFacebookより)

 

4月12日の総決起大会(主催者発表・3000人)をはじめ各種集会は盛況で、「オール沖縄」の勢いを感じさせる選挙戦となっている。

8年振りとなった市長選で、しかも「与野党対決」の構図となった今回、「オール沖縄」と各野党による幅広い支援を力に、うるま市初の女性市長の座を勝ち取ることができるか。

 

現職の島袋氏、与党の支援を全面にうけ3選を目指す

【島袋 俊夫(しまぶく・としお)】

(島袋俊夫氏、出典:http://www.city.uruma.lg.jp/shisei/161/2084)

(島袋俊夫氏、出典:http://www.city.uruma.lg.jp/shisei/161/2084)

 

旧具志川市(現うるま市天願)生まれ。

昭和51年3月沖縄国際大学短期大学部経済学科卒業、平成2年9月具志川市議会議員に初当選以降、4期連続当選。うるま市義を1期務め、平成21年4月の市長選挙に初当選(自民推薦)。現在2期目。

初当選した平成21年以来、8年ぶりの選挙に挑む現職の島袋氏は、今回、自民・公明両党からの推薦を受け3選を目指す。

今回の選挙では、基地反対派の「オール沖縄」と各野党の支援を受ける山内氏との一騎打ちの対決となり、政党の関係で言えば与野党対決、また辺野古への基地移設問題をめぐっては、沖縄県と国による対立の構図がそのまま当てはまる。

他紙も、

山内氏は、政府が進める米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志知事の支援を受ける。島袋氏と山内氏が政府・与党と県の「代理戦争」を演じる形となっており、島袋氏の出陣式には自民党の古屋圭司、公明党の斉藤鉄夫両選対委員長が出席した。

(4/16 時事ドットコム「うるま市長選に現新2氏=自公と翁長氏の「代理戦争」-沖縄」より)

と報じるとおり、国と県の「代理戦争」の様相となっている。

島袋陣営には、保守系の首長らが支援に加わる。

島袋陣営は、この日は佐喜真淳宜野湾市長が応援に入り、「実績のある市長をかえる必要はない」と訴えました。

(4/21 しんぶん赤旗 「山内候補 猛追、大逆転へ 沖縄・うるま市長選 基地被害根絶、翁長知事共に」

 

4月19日、うるま市内で開催された総決起大会には、主催者発表で約2500人が集まるなど、こちらも盛況。

(島袋俊夫氏の総決起大会の様子、「島袋トシオ後援会」Facebookより)

(島袋俊夫氏の総決起大会の様子、「島袋トシオ後援会」Facebookより)

 

4月13日には自民党参院議員・今井絵里子氏、4月21日には自民党衆院議員・小泉進次郎氏が応援に駆け付けるなど、政党の支援にも力が入る。

 

(島袋氏の応援に駆け付けた今井参院議員。「島袋トシオ後援会」Facebookより)

(島袋氏の応援に駆け付けた今井参院議員。「島袋トシオ後援会」Facebookより)

 

自民・公明両党の支援を全面に受け、組織戦を展開する島袋陣営。

基地移設を進めたい与党にとっても、負けられない選挙となっている。

 

8年ぶりの選挙は、高い注目度 投票率の上昇は選挙にどう影響するか

8年ぶりの選挙となった今回、国と県の「代理戦争」とも言える構図となったこともあり、両陣営の動きは熱気を帯びている。

現職の島袋氏が自民・公明両党の支援を受けて組織戦を展開する一方、革新系の新人である山内陣営も「オール沖縄」、また支援の野党幹部らの支援を力に、集会への動員数などは現職に負けていない。

選挙が盛り上がるにつれ、注目されるのは当選ライン、そして投票率だ。

他紙は、

沖縄県うるま市長選で一騎打ちを展開する新人の山内末子氏、現職の島袋俊夫氏の2陣営とも「3万2千~3万3千票」を当選ラインに位置付ける。 山内陣営は「新人候補であり、8年ぶりの選挙だ」と市民の関心は強くなると分析。投票率を前回の62・55%を上回る「65%」を目標に設定。

(4/21 沖縄タイムス「うるま市長選挙、当選ラインは…? 両陣営が予測 3万2千~3千票か」より)

と報じる。

投票率が上昇すれば、両陣営とも、無党派層への浸透が課題となる。

昨年7月に行われた参院選では、「オール沖縄」勢力が擁立した伊波洋一氏が初当選したが、基地問題のほか福祉政策なども積極的に訴えた結果、革新だけでなく無党派層にまで支持を拡大したことが勝因とも言われている。

無党派層への浸透を考えれば、基地問題もさることながら、若年層の関心が高い子育て・教育・雇用の問題における具体的な政策提示が求められる。

注目のうるま市長選は、23日(日曜日)投票を迎える。

※ 平成21年4月19日の前回市長選(投票率62・55%)の結果は次のとおり(うるま市HPより抜粋)。

届出順 候補者氏名 党派 職業 得票数
1 島袋 俊夫 無所属 無職 25,260
2 具志堅 順助 無所属 行政書士 6,790
3 首里 勇治 無所属 無職 21,112
4 金城 順正 無所属 自営業 352

 

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