【次期衆院選】民進党の「2030年 稼働原発ゼロ」をどう見るべきか

      2017/02/17

スポンサーリンク
(台湾の脱原発デモ。台湾では、2025年に「原発ゼロ」とすることを決めた。出典:http://ameblo.jp/junichi-raelian/entry-12243911340.html)

(台湾の脱原発デモ。台湾・蔡英文政権は、2025年に「原発ゼロ」とすることを決めた。出典:http://ameblo.jp/junichi-raelian/entry-12243911340.html)

 

民進党は、目下、「エネルギー・環境調査会」(会長・玄葉光一郎元外相)において、将来的な「原発ゼロ」に向けた具体的な「行程表」の策定を進めるとともに、「原発ゼロ基本法案」(仮称)に関する議論を取りまとめている。

これまで党が掲げてきた「2030年代稼働原発ゼロ」という目標について、「2030年」と時期を明確化することも検討されており、2月中には正式決定される模様だ。

 

民進党のエネルギー・環境調査会(会長・玄葉光一郎元外相)は2日、検討中の「原発ゼロ基本法案」(仮称)に「2030年ゼロ」を明記する考えを示した。従来の「30年代ゼロ」を実質9年前倒しする。蓮舫代表が3月の党大会で打ち出せるよう調整に入る。

(2/3 朝日新聞「30年に「原発ゼロ」、民進法案に明記へ 政権と対立軸」より)

焦点は、次の衆院選だ。

「原発ゼロ」を打ち出すことで、与党との対決軸を明確化することができる。

また、「原発ゼロ」が野党間での共通公約となれば、衆院選での争点の1つとなる可能性もあり、野党共闘に向けては、プラス材料だ。

柏崎刈羽原発の再稼働問題が争点となった新潟県知事選(10月16日)は記憶に新しいが、原発政策のように、世論を二分するような政策的一致点が見つかれば、共産党が求める「本気の共闘」が現実的となる。

共産党幹部も、民進党の一連の動きを前向きに捉える。

民進党のこうした動きについて、共産党の穀田恵二国対委員長は1日の記者会見で「いいことだ。詰めていけば一定の幅の中で共通項はできる」と歓迎した。共産党は次期衆院選での野党共通政策の柱に「脱原発」を据えたい考えだ。

(2/1 時事ドットコム 「民進「脱原発」前倒し検討=共闘重視、共産と接点探る」より)

 

しかし、民進党最大の支持団体である連合、特に、傘下の電力総連出身の組織内議員らが反発しており、党内の調整は難航するとの見方もされている。

2月9日には、それらの議員から、党執行部に対して申し入れが行われた。

民進党最大の支持団体・連合の組織内議員が9日、国会内で野田佳彦幹事長と面会し、次期衆院選公約で「2030年原発ゼロ」を掲げようとしている党執行部に、慎重に判断するよう申し入れた。早期の「原発ゼロ」を打ち出したい蓮舫代表に対し、党内の原発再稼働容認派が異議を唱えた格好で、党内の温度差が浮き彫りとなった。

(2/9 産経ニュース「民進、連合組織内議員が拙速な「原発ゼロ加速」を牽制」より)

スポンサーリンク

民進党福島県連幹部:「当然、あるべき方向性」

ある民進党福島県連幹部は2月2日、上記一連の動きについて、

福島県では、県として、「原子力に依存しない県土づくり」を掲げており、県議会としても、各会派が一致して、県内原発の全機廃炉を求める請願、意見書などを採択している。

まして、党エネルギー・環境調査会では、本県選出の衆院議員・玄葉光一郎が、会長として議論を取りまとめている。

党本部が「原発ゼロ」の実現に向けて、責任を持って工程表を作り、その道筋を国民に分かりやすく示すことは、福島県内の政党という立場から見れば、当然、あるべき方向性と捉えている。

 

次の衆院選について言えば、経済や教育、雇用など、色々な問題・課題が山積している今、小泉政権時代の「郵政解散」の時のように、原発問題だけが取り立たされて、争点化されるとは思わない。

しかし、現政権が原発を「重要なベースロード電源」と位置付けている以上、党本部で決定するエネルギー政策の内容によっては、次の衆院選において、重要な争点の1つとなる可能性はある。

と述べた。

原発事業による巨額の損失が明らかに 総選挙での争点化にも期待したい

日立製作所、東芝、三菱重工業は、「御三家」と呼ばれる国内最王手の原発メーカーだ。

ところが、米国の原発事業に関連して、東芝が数千億円、日立製作所が数百億円もの莫大な損失を出す(今年2月)など、現状を見れば、国内の原発メーカーも岐路に立たされている感がある。

原発事業は、純粋な企業活動として、将来的に採算が取れるものなのかどうか。

当然ではあるが、原発事業の是非は、政治的な側面だけでは判断できない。

国内政党はもちろんだが、原発メーカー、電力会社などを含め、この問題を直視すべき時期が来ているのではないか。

とりわけ各政党にあっては、推進、撤退のいずれの方向性であっても、安全・技術面、経済面の両面からの検証と、その具体的な道筋を国民に示すべきだ。

 

過去数十年にわたり、原発事業は国策として進められてきた。

それだけに、政権選択選挙となる総選挙で、各政党が責任を持ってエネルギー政策を打ち出し、ぶつけ合い、それを国民に問うことは、有権者が望むところでもあろう。

仮に内部で不協和音を生むとしても、民進党が、一歩踏み込んだエネルギー政策の策定に向け動き出したことは、「あるべき方向性」(上記の党関係者)として評価すべきだ。

スポンサーリンク

 - 国内政治, 政治ニュース, 社会ニュース , , ,