【千葉市長選-情勢分析】現職と共産新人の一騎打ち 財政再建などが争点か

   

スポンサーリンク

5月14日に告示された千葉市長選(28日投票)。

3選を目指す現職・熊谷俊人氏(39)=民進、公明支持=と、新人・大野隆氏(47)=共産推薦=による一騎打ちの構図となった。

候補者の顔ぶれと情勢を分析した。

 

★千葉市長選挙:28日(日) 投開票速報を随時更新★

【開票速報・結果】千葉市長選挙(市長選) 2017

スポンサーリンク

現職・熊谷氏 財政再建での実績を前面に「市民党」で3選をめざす

【熊谷 俊人(くまがい・としひと)】

(出典:Twitter)

(出典:Twitter)

 

奈良県天理市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒、NTTコミュニケーションズ株式会社、千葉市議会議員を経て、汚職事件で現職市長の逮捕、辞職を受けて行われた2009年の市長選で、全国最年少市長として31歳で初当選。2013年千葉市長選挙でも2期目の当選を果たした。

初当選時は旧民主党の推薦を受けたが、2期目の選挙は特定の政党から推薦を受けない「市民党」の立場(旧民主党・公明党支持)で選挙戦を戦った。

出馬表明は昨年11月25日。

3選をめざす今回、民進県連や公明県本部から支持を受けながらも、前回同様に「市民党」を掲げて選挙戦に挑む。

熊谷氏はこの間、財政危機に陥った千葉市の市債を600億円以上削減するなど、財政再建などの面で一定の成果を上げたとされる。

今回の選挙でも、更なる財政再建をめざすとしているほか、介護などの福祉政策、子育て支援の充実を掲げる。

また今回の選挙戦では、2020年に控える東京オリンピック・パラリンピックに向けた都市開発政策などが注目される。

 

新人・大野氏 教室へのエアコン設置 市民目線での政策を柱に現職に挑む

【大野 隆(おおの・たかし)】

 

(出典:Twitter)

(出典:Twitter)

 

東京都中野区出まれ、都立日比谷高校、明治大学政治経済学部卒。公益社団法人「日本将棋連盟」職員などを経て、2016年から日本共産党千葉県中部地区委員会准地区委員。

現職に挑む大野氏は、日本共産党の推薦、また市民団体「あたらしい千葉・みんなの会」から支援を受ける。

出馬表明は今年4月17日と遅れたが、「一人ひとりを大切にする千葉市に」をスローガンに、市内小中学校の教室へのエアコン設置、カジノ誘致反対などを掲げる。

また、財政再建に一定の成果を上げたとされる現職・熊谷市政に対し、「自民党市政からの大型開発を継続してきた」と批判。

現市政が前向きに進める市庁舎の建て替えについても「市民の暮らしを優先すべき」と、耐震工事を実施した上での継続使用を訴える。

2期8年の熊谷市政への評価、財政再建や福祉政策などが争点か?

(千葉市・幕張新都心、出典:http://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/shikin/furusatokihukin.html)

(千葉市・幕張新都心、出典:http://www.city.chiba.jp/zaiseikyoku/zaisei/shikin/furusatokihukin.html)

 

今回の選挙では主だった争点が見えにくいが、2期8年続いた熊谷市政への評価が問われる選挙戦となりそうだ。

特に、未だに市債残高が1兆円を超える市の財政再建をどう進めていくのか。

同時に、この間の緊縮財政下で、

「財政健全化を理由に福祉に回すべき財源をカットし、市民が疲弊している」(大野氏)

4/18 東京新聞「千葉市長選 共産推薦の大野さんが出馬表明 「市民大切にする市に」」より)

ことへの対処も求められる。

相反する課題ではあるが、県都として、財政再建と市民生活の向上のバランスをどう取っていくのか、両候補の主張に注目される。

 

【視点】候補擁立を断念した自民 与党として、有権者に選択肢を示すべきでは?

2009年の千葉市長選では、自民・公明が推薦した林孝二郎氏(元副市長、当時の鶴岡啓一市長の後継とされた)が、新人だった熊谷俊人氏に敗北。

2013年の選挙では、自民党は候補者擁立を見送り、自主投票とした。

今回も、自民党からの対抗馬擁立には至らず、熊谷氏との政策協定を結ぶ動きもあったが折り合いが付かず断念。

自民党市議団は、熊谷氏を支援しない方針を決めた。

一方、

(5月)14日の熊谷氏の出陣式には、自民の県内選出の国会議員や県議、一部の市議が熊谷氏にエールを送る姿があった。ある議員は「今日集まった党関係者は一致団結して熊谷氏を応援する」と話しており、同党内部で熊谷氏との“距離感”の違いが浮き彫りとなった。

5/15 産経新聞「【千葉市長選2017】現新一騎打ちに」より)

と報じられているとおり、党内の足並みは揃わない。

自民党の地方選挙への対応を見ると、

 

 七日告示、二十一日投開票のさいたま市長選でも、自民党は前回敗れた現職の対抗馬擁立を模索したが、市議団の分裂などから断念した。

5/16 東京新聞「自民「不戦敗」続く地方選 さいたま・千葉市長選に候補出せず」より

との報道のとおり、他自治体の首長選挙でも、自民党が候補者を立てられないケースが目につく。

県知事選でも

2014年10月の福島県知事選では、県連が擁立した候補者がいたものの、党本部の意向などによって出馬を取り下げ、結局は与野党相乗りとなってそのまま現職が当選。

今年1月5日告示の山形県知事選(吉村美栄子氏が無投票で3選)でも、県連で対抗馬擁立を模索したものの、次の国政選挙などへの影響を考慮してか、最終的に自民党は候補を立てず、「非自民」の現職に2期連続での無投票当選を許した。

 

各地域ごとに事情は異なるが、比較的、民進党が強いとされる地域や、野党が支援する強い現職が出馬するなどの難しい選挙に迫られた際、国政では大きな勢力を維持する与党が、「候補者を立てない」という選択肢を取るべきなのかどうか。

最近では特に、県や政令市における首長選挙において、そのような対応が見られる。

首長選挙は、それまでの県政・市政の是非を県民・市民に問い、有権者が意思表示を行うことができる4年に一度しかない機会だ。

 

選挙権が18歳以上に引き下げられ、若者の政治参加が課題となる中、国政与党である自民党の「候補不在」は投票率の低下を招く恐れもある。

どのような状況であれ、与党が主体性を持って地方選挙に関わり、有権者に対して選択肢を示し、幅広く政治参加の機会を与えるべきではないか。

 

※ 市選管による過去市長選の投票率は次のとおり。

○2009年 43・50%

○2013年 31・35%

 

関連記事

【開票速報・結果】千葉市長選挙(市長選) 2017

より多くの皆さんにご覧いただき、より厳しくコンテンツを磨いていくために、ぜひクリックをお願いします。
ブログランキング用バナー
スポンサーリンク

 - 千葉県内選挙, 注目選挙, 選挙区・情勢予想, 関東地方選挙 ,