【つくば市長選-情勢分析】白紙となった公共事業を巡り、波乱含み 3新人による激戦に

      2016/11/11

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6日告示されたつくば市長選(13日投票)。

いずれも無所属・新人で、元市議の飯岡宏之氏(54、自民推薦)、元民主党衆院議員の大泉博子氏(66)、元市議の五十嵐立青氏(38、「つくば・市民ネットワーク」推薦)の3人が立候補。

三つどもえの激戦となっている今回、昨年8月の住民投票で中止に追い込まれた「市総合運動公園」建設予定地の活用方法などが争点となっている。

候補者の顔ぶれと情勢を分析した。

 

★つくば市長選挙:13日(日) 投開票速報を随時更新★

つくば市長選挙 開票速報 2016 当選落選結果

つくば市とは?

つくば市は、茨城県南部に位置する市で、人口は約23万人。

国立「筑波大学」を有する、国内最大の学術・研究都市として有名。

2005年(平成17年)、首都圏新都市鉄道「つくばエクスプレス」が開業し、中心部から東京・都心まで、最短45分で結ばれている。

市内には、国や大手企業の研究拠点が多数存在し、約300に及ぶ研究機関・企業と、2万人を超す研究者が住んでいるほか、外国からの研究者や留学生も多いのも特徴だ。

 

(つくば市中心部の概観、出典:http://future-city.jp/torikumi/tsukuba/)

(つくば市中心部の概観、出典:http://future-city.jp/torikumi/tsukuba/)

 

 

元市議会議長・飯岡氏 自民党の組織力をフルに使った選挙戦

(飯岡氏のFacebookより)

(飯岡氏のFacebookより)

 

つくば市議会議員を5期20年、議長も務めた経験を持つ飯岡宏之(いいおか・ひろゆき)氏。

今回の選挙では、序盤から自民党国会議員が応援に入る。

片山さつき氏、丸山和也氏らが駆け付けたほか、11月12日には、今井絵里子氏が街頭演説のため、茨城入りする予定だ。

また、県連を中心として、党所属の県議らが、積極的に飯岡氏の選挙戦を支える。

 

(11月6日、飯岡氏の出陣式の様子。出典:飯岡氏のFacebookより)

(11月6日、飯岡氏の出陣式の様子。出典:飯岡氏のFacebookより)

 

6日の出陣式では、約3000人を集めるなど、組織戦では、他候補に水を空けている。

飯岡氏は、「つくば市は、県・国との密接な連携が必要」と強調。

政権与党の影響力をバックに、当選に向けて手堅い選挙戦を展開している。

 

しかし一方では、自民党会派に所属するつくば市議が、対立候補である五十嵐氏の支援に回っており、同日選挙となった市議選で、それらの議員に党公認を出さないなど、波乱含みだ。

実質的に、現市政(市原健一市長)を継承するスタンスの飯岡氏だが、党内の混乱が選挙戦にどう影響するかに注目される。

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元民主党衆院議員・大泉氏 つくば市初の女性市長を目指す

 

(出典:大泉博子氏のFacebookより)

(出典:大泉博子氏のFacebookより)

 

元民主党衆院議員(茨城6区)の大泉博子(おおいずみ・ひろこ)氏。

東京大学を卒業後、米国ミシガン大学大学院で行政学修士を取得、ユニセフ(国連児童基金)インド事務所計画評価官なども務めた国際派。

厚生省に入省後、人事の一環で、山口県副知事を3年務めた。

山口県では、衆参2度の国政選挙で落選を経験するも、2009年の衆院選で民主党から立候補し、初当選を果たした苦労人だ。

2012年に落選、現在は党を離れ、無所属で活動している。

 

(11月6日、出陣式の様子。出典:大泉博子氏のFacebookより)

(11月6日、出陣式の様子。出典:大泉博子氏のFacebookより)

 

選挙戦では、「つくば市に初の女性市長を!」をスローガンに、自らを「カタブツひろ子ちゃん」と呼び、支援者とともに市内を演説して回る。

課題となっている「総合運動公園」の用地には、「スポーツ医療・リハビリセンターを誘致する」としているほか、子育て支援、高齢者介護支援の政策を訴える。

組織力では飯岡氏に及ばないが、衆院当選などにより、地元では一定の知名度がある。

打ち出した政策を、どこまで浸透させられるか。

 

元市議・五十嵐氏 一部自民も合流した超党派体制で「公園問題」に迫る

 

(五十嵐立青氏のFacebookより)

(五十嵐立青氏のFacebookより)

 

一部・自民も含んだ超党派での支援を受け、今回、2度目の挑戦となる五十嵐立青(いがらし・たつお)氏。

筑波大大学院在学中の26歳の時、初めて市議選に立候補し、2期連続でトップ当選するなど、地元での人気、知名度は高い。

市議2期目の途中、民主党(当時)を離党した上で、前回の市長選(2012年10月)に立候補。

約2万8千票を獲得するも、現市長の市原健一氏(約3万6千票)に及ばず、次点で落選した。

「総合運動公園」建設の是非をめぐって、住民投票を求める市民団体の世話人として、先頭に立って活動した経緯がある。

五十嵐氏本人が、

今回は超党派、総合運動公園に反対したほぼすべての議員さんが応援してくださっています。

(五十嵐立青氏のFacebookより)

と語るように、今回、市議会の会派である「つくば・市民ネットワーク」、共産党、また公園建設計画への反対運動に関わった市民団体などが、全面的に五十嵐氏を支援する。

また、つくば市議会で、公園建設計画に反対した自民党系会派「つくば自由民主党・つくば維新の会」所属の市議、また一部の自民党県議も支援に加わるなど、保守、革新の枠を超えた、異例の支援体制となっている。

(11月6日、出陣式の様子。自民党関係者も出席したとのこと。出典:五十嵐氏のFacebookより)

(11月6日、出陣式の様子。出陣式には、自民党関係者も出席したとのこと。出典:五十嵐氏のFacebookより)

 

組織的な方針ではないとしても、自民が共産と同じ候補を支援した例としては、「大阪『都』構想」をめぐる大阪府知事選、大阪市長選における「都構想」反対候補への支援、また「新基地建設反対」で一致した超党派の「オール沖縄」による、反基地候補への支援などが挙げられるが、全国的にも稀なケースと言える。

また、

超党派の支援を受けている私を応援していることを理由に自民党の公認が出なかった自民党の市議のみなさん。

(五十嵐立青氏のFacebookより)

とあるように、現職の自民党市議が五十嵐氏支援に回ったことで、同日選挙で行われている、つくば市議選にも影響を与える。

「自民分裂」の選挙となった今回は、さながら、今年7月に行われた東京都知事選にも似た様相となっている。

五十嵐氏は、「運動公園問題検証チームの設立」を公約に掲げ、住民投票により白紙撤回に至った「総合運動公園」建設計画の徹底的な解明と「完全な解決」、そして、保育所・学童保育などの子育て環境の改善などを訴える。

2度目の挑戦となる今回、超党派による支援を力に当選を目指す。

 

「自民分裂」選挙の背景には、「総合運動公園」の問題が・・・

(運動公園の建設予定地だった場所。現在は、放置されたままになっている。出典:五十嵐氏のFacebookより)

(運動公園の建設予定地だった場所。現在は、放置されたままになっている。出典:五十嵐氏のFacebookより)

 

「自民分裂」の状態にまで至った背景には、上記「総合運動公園」の問題がある。

市が計画した「総合運動公園」(総事業費305億円)の建設。

2014年3月、つくば市議会では、約46ヘクタールの建設用地を「都市再生機構」(UR)から約66億円で購入する議案を可決した。

しかし、1票差でのギリギリの「賛成多数」だった。

その後、事業費が莫大であることなどから反対運動が起き、昨年8月、その是非を問う住民投票を実施。

結果、市民の約8割が反対で、市原市長は計画を白紙撤回するに至った。

 

白紙撤回から1年以上経った今、用地購入に反対した自民党市議(当時の「つくば自由民主党」所属市議の全員が反対票を投じた)が、この問題の「完全な解決」を掲げる五十嵐候補の支援に回ったのだ。

これにより、同日選挙となった市議選において、「自民党公認ゼロ」という事態となった(2012年の前回市議選では、6人を公認し5人が当選)。

市議選自体も、定数28人に対し、38人が立候補した多数激戦だ。

党公認の市議候補がいないことで、自民党が推す飯岡氏の選挙に影響が出る可能性もある。

 

公園問題をめぐり、波乱含みの展開となったつくば市長選は、13日(日曜日)に投票を迎える。

 

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