パナマ文書間も無く公開-各国厳正捜査表明も日本は捜査せず[論説]

      2016/05/24

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パナマ文書公開は日本時間10日午前3時

ICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)が10日の公開を前に国際的な議論を呼んでいるいわゆる「パナマ文書」が間も無く公開される。

ICIJのホームページ上のデータベースに公開され、誰でも閲覧が可能な状態となると予想されている為、各国の捜査当局のみならず個人ユーザが自身のブログやソーシャルでその情報を「我が物顔」に語り始めることが容易に想像される。

いわゆる「メシウマ(人のスキャンダルを楽しむ俗語)」の風評合戦の様相だ。

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メシウマは政権与党の支持者低下と左派への支持者増加へつながる

パナマ文書問題の報道を受け、4月6日、菅官房長官は「日本政府として調査をする用意はない」と早々に「静観」の態度を示した。確かに安易な調査は報道に踊らされ事実の本質を見誤る可能性はあるだろう。

しかしながら、明日朝から「不公平」を訴える大企業等の租税回避疑惑を訴えるインターネット上の言論は、次第に「メシウマ」のお祭り騒ぎから、政府与党への「懐疑心」へと移っていくであろう。

日本共産党は機関紙「赤旗」4月26日の紙面において、大門参議院議員の国会質問を掲載した。

そのうえで、日本企業による証券投資額が63兆円で米国に次いで2番目に多いケイマン諸島では、把握されているだけでも子会社531社の99%がペーパーカンパニーだと確認。さらに、同島での投資収益約2兆8千億円のうち課税対象となったのはわずか1755億円にとどまっていると国税庁の資料をもとに示し、「あまりに落差がある。国際的にも課税強化の方向は共有している。踏み込んだ対策が必要だ」と迫りました。(しんぶん赤旗4/26)

大門議員の指摘によると、課税対象のうち2兆8千億円余りの投資収益に対し、その10%以下の1,755億円のみにしか課税がなされていないことを指摘した。

大企業優遇と言われる「軽減税率」のスタートにより、財源に6,000億円ほどの穴が開き、その穴埋めをしなくてはならないという議論があった。仮に、2.5兆もの租税回避があったとし、適切に税を回収できていれば補填しうるレベルではないだろうか。

そこを政府は「消費税の引き上げ」に皺寄せる。

左派野党は「ここぞ」とばかりに、不満を持つ支持者を拡大し、「調査をする用意はない」与党は窮地に立たされる可能性は十分ある。

国民の多くの格差の是正と平等の追求のため、厳正なアクションを取れる政治を、国民の多くは望むであろう。

各国政府は厳正な調査、捜査の準備を開始している

いち早い引責と、調査の開始を始めたアイスランドとドイツ、パナマの動きについて、読売新聞は4月9日の社説で言及している。

会社所有が発覚したアイスランドのグンロイグソン首相は、情報開示を怠ったとして、辞任に追い込まれた。亡父がパナマにファンドを設立していたキャメロン英首相は投資の事実を認め、窮地に立たされている。

 ドイツやパナマなど欧州や中南米の司法当局は、違法行為の有無について捜査を始めた。脱税などを摘発するのは当然だ。国際社会が連携し、租税回避地の透明性を高めることも欠かせない。(読売新聞 4/9)

アイスランド首相の一早い引責は、「政治に大きな混乱をもたらす前に」との引責という面では、政治家として評価される進退と言える。対するキャメロン首相は奇しくも5月6日の「お膝元」ロンドンの市長選で格差是正をマニフェストに当選したサディク・カーン氏の存在により、さらに追求は厳しくなるとみられる。

ドイツ、パナマはいち早く、違法行為の捜査を始めたが読売新聞は「脱税などを摘発するのは当然だ。」と断ずる。

日本経済新聞は4月22日の紙面で

タックスヘイブン(租税回避地)を利用した各国首脳や著名人らの租税回避を明らかにした「パナマ文書」に関連し、米当局が捜査に乗り出した。今のところ米国の大物政治家や著名人の名前は挙がっていないが、オバマ大統領が国際的な租税逃れを「大きな問題」と発言。格差の拡大に不満を募らせる米国民の関心も高まり、捜査当局の背中を押したようだ。(日経 4/22)

と米国の厳正なる捜査意欲と「国民への公平・正義への約束」の強い意欲がうかがわれる。

果たして、日本のとるべき梶は

国民の信託を受けた代表たる国政議員は、それが「空振り」であろうと、疑惑を晴らすために国民のために「働く」のが正しい姿ではないだろうか。その意味において、政府与党は全面的な調査を可及的速やかに行い、国民に安心を与え、国民との信頼関係のもと、山積する重要課題をオール日本で取り組まなくてはいけない。

与党は襟を正し、厳正に、野党はそれをしっかりと見届けるために、追求の手を緩めてはいけない。

対して、仮に実態が「合法ではあるが、社会システムと倫理に反する」ということが判明するのであれば、速やかに捜査を開始し、厳正なる対処をすることが、国民の信任を得ることである。

憲法という最上位の「法」が、「今の時代にはそぐわない」として改正議論を始めた与党が、租税回避の疑いがありながら「合法であるから、民意と時代に反しても捜査しない」とするならば、国家百年の計も、国民の多くの信任を得られまい。

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