[論説]参院選与党大勝で戦後改憲悲願の好機も被災地東北惨敗の衝撃

   

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11日未明、第二十四回参議院選挙の大勢は判明し、自公与党と改憲に積極的とされる党派の参院における議席数は2/3を超すことが確実となった。

国内外主要紙はこの与党の勝利に対して、経済政策(アベノミクス)のよりいっそうの推進をたたえる一方、憲法改正の発議が事実上可能になったことに対する懸念の報を相次いだ。

再び日本が軍事侵略を可能にするという点においては憂慮すべきことではあるが、日米の地位協定、極東アジアの深まる軍事緊張、さらには70余年多くの日本人による積極的な検討を得ることの無かった日本国憲法を見つめなおす憲政与党が得られた数少ない好機に、期待は集まる。

今回の参院選では史上初の共産党と主要野党が戦略をひとつにした、野党共闘の新時代を見ることとなった。多く議席を減らしたのは民進党であり、10議席余りを減らし改選31議席を維持できるかと、危うい党勢となった。

与党は比例で軒並み勝利を収め、前回の参院選を上回る伸び率となったが、一人区、とりわけ”被災地”東北では6戦5敗という惨敗の結果となった。

全体で党勢に影響を与えるほどではないが、青森で現職を落とし、続き岩手、山形でも大差、宮城、福島、新潟では僅差で国民の信を得られなかった格好だ。

ひとつの見方は”農業(TPP)”である。自民の秘蔵っ子小泉元首相の次男進次郎氏の異例の遊説にかかわらず、これだけの敗戦を重ねたのは根強く残る現政権の農業政策への懸念の表れと見ることができる。

二つ目の見方は、憲法であるが、実際、今回の選挙で被災地では憲法改正を争点にする活動は、与野党問わず、それほど大きくは無かったといえる。

最後に、アベノミクスである。2万人余りの犠牲者を出し、多くの社会インフラを失い今まさに復興の途上にある東北の多くの民意が「Yes」とはいいがたい結果が出た。

2万人以上の死者を出し、震災関連死ではその倍とも言われる。さらには、その災害の影響で経済も伸び悩む被災地東北のすべての選挙区で、現政権に「否」が投げつけられた選挙と言っても、過言ではあるまい。

格差を是正し、真に弱く悲しみに溢れた人々に、寄り添う政治をできるのかが、ポスト7.10の安倍政権に求められる課題となった。

今回の惨敗は、われわれ”被災者”の激励である。そして、今回の勝利は野党候補にとって、われわれ被災者の議員個人への激励である。党と戦いつつ、信念を通した各野党候補に、政治家のあるべき姿を、見たのかもしれない。

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